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■ エデンの園(アーネスト・ヘミングウェイ)集英社

舞台は1920年代半ば、南フランスのローヌ河河口の小さな町に、作家のデイヴィッドと富裕な女キャサリンのボーン夫妻が新婚旅行に訪れ滞在していた。
泳ぎ、食べ、飲み、眠り、濃密な愛をかわすうちに日を送る二人の前に、マリータという名の美女があらわれた。その日から、三人に愛と不安がはぐくまれ、奇妙な三角関係が生まれた。キャスリンとデイヴィット、デイヴィットとマリータ、マリータとキャスリン。等距離をたもちながらつづく正三角関係のなかに、異性愛と同性愛、男と女の性の逆転が秘められ、エロチシズムに満ちた倒錯的な世界があった。
文豪ヘミングウエイが新たな地平を切り拓こうと試みた最後の作品である。彼の死後、その書斎から発掘され、読書界の話題をさらうこととなる。