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■ 肉体の悪魔(ラディゲ)新潮文庫

青春期の複雑な心理を、ロマンチシズムへの耽溺を冷徹に拒否しつつ仮借なく解剖したラディゲ16〜18歳のときの驚くべき作品。
第一次世界大戦のさなか、戦争のため放縦と無力におちいった少年と人妻との恋愛悲劇を、ダイヤモンドのように硬質で陰翳深い文体によって描く。
他に、ラディゲ独特のエスプリがいかんなく発揮された戯曲「ペリカン家の人々」、コント「ドニューズ」を収める。
レイモン・ラディゲは1903年生まれ、1923年に死んだ。20年の短い生涯に残した「燃ゆる頬」「休暇の宿題」に収められた詩と「肉体の悪魔」「ドルジェル伯の舞踏会」の小説。「ペリカン家の人々」戯曲、「「ドニーズ」コントである。