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■ ロリータ(ナボコフ)新潮文庫

ロリータ(ナボコフ)

ロ、リー、タ。わが生命のともしび、わが肉のほむら……。
「いかなる教訓(モラル)もひきずってはいけない」と、ナボコフが主張するこの作品は、アメリカの四つの出版社の顰蹙を買い、ようやくパリで陽の目を見た。
早熟なニンフェットの魅力にとり憑かれた中年男の倒錯した心理という主題を得てから、十数年後のことである。発表後、一大センセーションを巻き起こし、各国語に翻訳された問題作である。
ロリコンという言葉の発端となった「ロリータ」は非常に読み応えのある小説で、LGBT問題が頻繁に取りざたされている現在にこそ、一読するべき名作、秀作である。