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■ 火宅の人(檀一雄)新潮社

壮絶な孤独の中で謳いあげた豪放なる魂の詩!
たとえ五人の子供と最愛の妻が在ろうとも、の天然の旅情に忠実に己を解放してみたい。
一郎は窃盗をやらかす。次郎は全身麻痺で寝たきり。弥太はまだヨチヨチ歩き。フミ子は鶏の餌を喰ってヒヨコのように泣きわめく。サト子は生まれたばかり。
妻は主人の怠情・濫費・狂躁を見かねての家出騒ぎ―。我が家は今にも崩壊の危機だがだとえ
「火宅の人」と言われようと私には私の生き方がある。所詮、哀れな人々の賑いの中、天然の旅情に従って己を解放してみたい。女たち・酒・とめどなき放浪―。その果てに辿り着く壮絶な孤独に安らぎたい!
この小説は昭和という時代だからできた生き方という側面があると思う。SNSやインターネットがはびこる現代社会では、色んな批判や中傷にさらされてしまうだろう?