「死国」は坂東眞砂子が描く、ベストセラーの伝奇ロマン。
二十年ぶりに、故郷である高知の矢狗村を訪れた比奈子は、幼馴染みの沙代里が十八年前に事故死していることを知った。 その上、沙代里を黄泉の国から呼び戻すべく、母親の照子が禁断の“逆打ち”を行っているのを知り、愕然とする。四国八十八ケ所の霊場を死者の歳の数だけ逆に巡ると、死者が甦えるというのだ―。 そんな中、初恋の人・文也と再会し、恋におちる比奈子。だが周囲で不可思議な現象が続発して…。古代伝承を基に、日本人の土俗的感性を喚起する傑作伝奇ホラー。
坂東眞砂子は「狗神」「葛橋」「桜雨」」「蟲」など、日本人の皮膚感覚に密着した怪奇ロマンを描いて、読者を坂東眞砂子の暗くて深淵な世界に引きずり込んでしまう。
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